諏訪味噌技術研究会「みそに○○を入れると…!?」

長野県諏訪エリアにある各みそメーカーの職人たちが集まり、さらなる技を磨くことを目的に、定期的に勉強会や仕込み実習を行っている「諏訪味噌技術研究会」には、40 年近い歴史がある。当然ながら普段は一緒にみそを仕込むことはないが、メーカーの垣根を越えた特別コラボ。ライバルではなく、互いに協力、切磋琢磨して「諏訪味噌」を発展させていこうという、共通の思いが集結している。

年に一度開催される「仕込み実習」。本年度のテーマは2つ。1つ目は、「みそまるに最適なみそ」。みそまるは、どんなみそでもできるが、かたさや風味、色合いなど、こだわると深い。2回にわたる役員会で決定したのが、前代未聞の寒天やワイン入り、また、豆麹、ビタミンB2入り。寒天は、きれいに丸くなるよう、かたさを調整。豆麹とビタミンB2は、みその鮮やかな色味、ワインは風味増を期待。はじめてのことだけに、入れる順番は?入れ方は?配合は?など、現場でいろいろな言葉が飛び交った。

2つ目は、「天地返しの有無によるみその仕上がりの違い」。仕込んで2週間ほどしたあと、タンクからみそを取り出して撹拌、空気を入れることで、好気性の微生物が活発になり、より風味が増すとされている。「天地返し」は、当たり前にやることだが、実は、まだあまり研究されていない域だという。

いよいよ迎えた初日は、大豆の洗いと浸漬。丁寧に洗うと雑味が減り、煮上がり具合にも大きく影響するので、気が抜けない工程だ。2日目は、早朝から大豆を蒸すところからスタート。日頃から和やかなムードだが、仕込みとなると全員が一気に真剣な表情に変わる。蒸し上がった大豆と米麹、塩、酵母、乳酸菌を混ぜて、タンクへ。見事な連携プレーで、あっという間に約1.5tのみそが仕込まれた。

今年4月に「諏訪味噌技術研究会」の会長に就任した久保田貴さん(松亀味噌)は、みそ業界歴20年。「研究会の歴史をしっかりと受け継ぎ、さらなる技術向上を目指すには各社の連携が必須。みそまるは、みその新しい食し方として定着してほしいと思います。今回仕込んだみそは、未知の領域ではあるので、どんな仕上がりになるか楽しみです。一緒に諏訪のご当地みそまるを開発したい」と語った。

この日仕込んだみそは、9月1日に行われる「全国新作花火競技大会」(諏訪市上諏訪温泉、諏訪湖畔)にて販売予定。毎年、あっという間に完売してしまうほど根強いファンが多い。

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藤本智子

藤本智子(ふじもとともこ) 1985 年生まれ、横浜市在住。アパレル販売員、読者モデル、ファッション雑貨店マネージャーを経て、2011 年ミソガールとして「365 日味噌活宣言」をし、みその普及啓蒙活動を開始。2012年「みそソムリエ」取得。2014 年「ジャパン味噌プレス」創刊。2015年「ミラノ国際博覧会日本館サポーター」「朱鷺米応援大使2015」(佐渡市)に就任。著書に『みそまる』(宝島社)、『みそまる 作りおきみそ汁83のレシピ&アイデア』(二見書房)、『手軽に作れて、キレイに効く! みそまる』(主婦と生活社)等がある。2016 年より「中央情報専門学校」非常勤講師。2016年10月株式会社ミソド設立、代表取締役。一般社団法人みそまる普及委員会 理事。