【味噌人】株式会社大塚青木商店 専務取締役 酒井 雅敏さん

酒井 雅敏さん

\THE味噌人/

みそを愛し、みそ業界をリードする「ザ・味噌人」。
みそメーカーや関連企業、料理人など、
さまざまな業界の「ヒト」を取り上げます。

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味噌と大塚の町を愛する「歌う味噌屋の若旦那」
株式会社大塚青木商店  専務取締役 酒井 雅敏さん

 

「歌う味噌屋の若旦那」こと酒井雅敏さんは、
東京の老舗味噌卸問屋「大塚青木商店」の専務取締役でありながら、
「大塚ものがたり」を歌うプロの演歌歌手でもあります。
古来から伝わる味噌の文化や、
大塚(豊島区)の魅力を伝える活動について話を聞きました。
(聞き手/ ミソガール・藤本智子)

 

◆◆◆「大塚青木商店」とはどんな会社ですか。◆◆◆

味噌の専業卸問屋です。創業者の酒井次夫は信州の生まれ。地元の醸造企業としては屈指の「合資会社酢久商店」(現・信州味噌株式会社)に丁稚奉公に出た後、その経験を生かし、戦後まもなく東京に、信州味噌を販売する「大塚青木商店」を設立。主に家庭用の小売商品や業務用商品、海外向けの輸出用商品などを取り扱っています。一般の消費者と接する機会はあまり多くありませんが、日頃の感謝の気持ちを込めて、2、3 か月に一度、会社の倉庫を開放し、店頭販売会を開催しています。

 

◆◆◆なぜ大塚の地域活性化に
力を入れるようになったのですか。◆◆◆

JR 山手線の池袋と巣鴨の間に位置する大塚で生まれ育ちましたが、大学卒業後、サラリーマン時代を過ごし地元へ帰ってきた時に、昔の古きよき文化が薄れていることにショックを受けました。商店街の活気は薄れ、幼い頃からの楽しみだった天祖神社での縁日もなくなっていました。これでは商売も成り立たない…。そんな中、同じ思いを持った地元の有志が集まり、JR 大塚駅南口駅前の3 つの商店街(サンモール大塚・盛和会・商興会)が中心となり、大塚の魅力を発信していこうということで、2006 年「南大塚ネットワーク」を立ち上げました。現在200 以上の商店が加盟し、私は二代目代表を務めています。

 

◆◆◆演歌歌手デビューのきっかけは何でしたか。◆◆◆

「南大塚ネットワーク」では、月に1 度の定例会を開催し、まちぐるみのイベントや、「大塚ものがたり」ブランドの商品開発などを行っています。そんな中、プロジェクトを盛り上げようと、デュエット「大塚ものがたり」のCD を自主制作しイベントでPR していたところ、「ウェブクウ」(石原プロモーションの関連会社)の目に留まり、2010 年に「雅&のぞみ」として全国デビューを果たしました。学生時代から演歌は好きでしたが、まさか自分がデビューするとは思いませんでした。

 

◆◆◆味噌業界や味噌のプロモーションについては
どのようにお考えですか。◆◆◆

20 年ほど前までは、味噌業界の有志たちが集い、銀座や軽井沢などで味噌汁を無料で提供するなどのPR イベントを頻繁に開催していました。が、いつしかイベントはなくなり、それとともに味噌の消費量も下がる一方だったように感じます。私はこの「失われた20 年」を取り戻すには、相当な努力が必要だと思います。けれども今やらないと、100 年後は味噌は消えてしまうかもしれない…。そんな危機感を感じたので、取引先の味噌メーカーや卸会社に呼びかけ、2014 年に「みそ知る会」を開設。およそ20 社が集まって、地域の親子を対象にした味噌講座を開催したり、味噌汁を配布するイベントを定期的に開催したりしています。

 

◆◆◆これからの夢があれば教えてください。◆◆◆

味噌も大塚も、私にとっては宝物。まだまだやらなければならないことが山ほどありますが、やればやるほど反響や手応えがあることも事実です。味噌は歴史と伝統を感じる素晴らしい食材です。卸問屋として、また歌手だからこそできることを考えて、積極的にやっていきたいと思います。

 

【プロフィール(さかいまさとし)】
1965 年、東京都豊島区出身。
味噌専門卸問屋「大塚青木商店」専務取締役(三代目)。
大学卒業後サラリーマンを経て、25 歳で「大塚青木商店」に入社。
また「南大塚ネットワーク」代表として、地域活性化にも東奔西走する日々。
2010 年には「大塚ものがたり」で、プロの演歌歌手としてデビュー。

 

株式会社大塚青木商店
東京都豊島区南大塚3-25-3  TEL03-3971-6175
南大塚ネットワーク

 

大塚ものがたり「大塚ものがたり」
作詞・作曲/ 酒井雅敏
歌/ 雅& のぞみ
発売/Webkoo

 

みそオリジナルの信州味噌「大塚ものがたり味噌」
スッキリとした味わいながらも深いコクと旨みをもつ香り高い信州味噌。
500g 630 円(税込)

 

店頭販売会大塚青木商店恒例の「店頭販売会」

 

イベント今年4 月には、「みそ知る会」「巣鴨地蔵通り商店街振興組合」共催で、
イベント「中山道は味噌街道!!」を行った

 

Masatoshi Sakai is the executive director of Otsuka Aoki Shoten, a miso wholesaler,
and is also an enka singer who debuted in 2010.
He has been active in spreading the appeal of miso
and revitalizing Minami Otsuka, Toshima, Tokyo, where he is from.
He founded Miso wo Shiru Kai with 20 miso manufacturers in 2013
and they hold miso seminars for parents and children and miso tasting events regularly.

 

—–取材を終えて—–

05-とも手

味噌業と歌手業、かなり多忙な毎日だと想像しますが、
人任せではなく自らができることからやっていこうという行動力、
だからこそ、地域の人々からの人望があるのだと、お話を聞いて納得できました。
味噌の新曲も計画中とのことなので楽しみです!

〈INTERVIEWER〉
藤本智子 Tomoko Fujimoto
ジャパン味噌プレス編集長、ミソガール

 

ABOUTこの記事をかいた人

藤本智子

藤本智子(ふじもとともこ) 1985 年生まれ、横浜市在住。アパレル販売員、読者モデル、ファッション雑貨店マネージャーを経て、2011 年ミソガールとして「365 日味噌活宣言」をし、みその普及啓蒙活動を開始。2012年「みそソムリエ」取得。2014 年「ジャパン味噌プレス」創刊。2015年「ミラノ国際博覧会日本館サポーター」「朱鷺米応援大使2015」(佐渡市)に就任。著書に『みそまる』(宝島社)、『みそまる 作りおきみそ汁83のレシピ&アイデア』(二見書房)、『手軽に作れて、キレイに効く! みそまる』(主婦と生活社)等がある。2016 年より「中央情報専門学校」非常勤講師。2016年10月株式会社ミソド設立、代表取締役。一般社団法人みそまる普及委員会 理事。