【味噌人】味噌で心の病を癒していく 管理栄養士 小町みちこさん 心理カウンセラー 岩本和也さん

※通級指導とは、日本の義務教育における特別支援教育の 制度の一つで、通常の 学級に在籍していながら個別的な特別支援教育を受けることの できる制度のこと。

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味噌で心の病を癒していく

管理栄養士 小町みちこさん
心理カウンセラー 岩本和也さん

 

現代人の多くが抱える「心の病」。
日本の自殺者数は約3 万人、「うつ病」は100 万人にものぼります。
さらに深刻なのは、子どもの精神疾患が急増していることです。
昨年、漫画『うつでもいいじゃないか!!』(美健ガイド社)を共同監修。
心の病と闘う患者さんと日々向き合っている
管理栄養士の小町みちこさん、心理カウンセラーの岩本和也さんに、
「味噌」が治療に役立つ話について伺いました。
(聞き手/ ミソガール・藤本智子)

 

◆◆◆どんな症状の患者さんに
どのような治療をなさるのですか。
◆◆◆

小町●これまでうつ病、統合失調症、パニック障害など精神障害を抱える方々と向き合ってきました。そこで感じたのは、「心の病気は脳の生活習慣病である」ということ。心の不調の多くは食生活が大きく関係し、それを見直すだけで心が元気になっていく…。栄養療法を中心に、患者さんが日常生活が送れるようサポートしています。

岩本●うつ病の多くが決まったパターンで発病。子どもの頃に喉や気管支、お腹や腰が弱かった人、冷え性やよく風邪を引いていた人がある時を境に急に体の不調を感じなくなり(元気にがんばれるようになり)、6年間ほどハイテンションな時期を経て今度は疲労や眠気を全く感じない「失体感」の状態に。ここに至ると体の不調に代わって精神不安定に陥り、発病するケースが多くなります。以前は鍼灸や漢方薬を中心とした治療を行っていましたが、玄米と味噌汁の食事療法を取り入れて1 年半になりますが、驚くほどの改善が見られ、味噌のパワーを実感しています。

小町●今みているのは発達障害の子どもたち。食事の席や授業などでその場に合った行動が難しく、中には自傷行為や殺してくれと叫ぶ子も。社会生活でさまざまな困難を抱えるお子さんが増えています。昨年度、小中学校の通級指導(※)の子どもは約8 万人。子ども人口は減少し続けているにもかかわらず20 年連続の増加、約6.4 倍に増えています。また食生活に偏りがあることもわかっています。カップラーメンや菓子パンを常食にしたり、ケーキや炭酸飲料など嗜好品を好んで食べたり。保護者の中には食事療法マニアもいて、塩分は避けたほうがいいと聞けば、塩分を全く摂らないなど、極端過ぎて症状が悪化する場合も少なくありません。

※通級指導とは、日本の義務教育における特別支援教育の 制度の一つで、通常の
学級に在籍していながら個別的な特別支援教育を受けることの できる制度のこと。

 

◆◆◆心の病気にならないためには
どうすればよいですか。◆◆◆

小町●脳が健康になれば、強い精神力が身に付きます。食べ物は脳神経細胞やホルモンの質に直結するため、栄養療法が効果を発揮します。つまり日々の食や生活習慣が大事ということです。病気になると、薬が必要な場合もありますが、副作用の強い向精神薬を安易に飲むことには賛成しかねます。

岩本●近頃は、低体温の子どもが増えています。朝ごはんが菓子パンとジュースだけの子どもが、日中やる気やパワーがなくて当然、まともに思考することさえできません。子どもたちの免疫力も弱く、「心の病」の発病が年々早期化しています。きちんとした食事をとり、体を動かすこと。血流をアップし、体温を上げることが先決です。

 

◆◆◆味噌が「心の病」に効果的な
理由を教えてください。◆◆◆

小町●体や脳の栄養不足が「心の病」を起こすのですから、まずは栄養を補うこと。具だくさんの味噌汁なら栄養素をバランスよくとることができます。ミネラルが不足している人にはワカメの味噌汁を。ミネラル成分、たんぱく質、リン脂質などがしっかりとれて「怠い、やる気がない」を改善します。カウンセリングでは、毎回小さな課題を与えます。「毎日味噌汁を飲みましょう」から始め、できたら次は「朝はカーテンを開けましょう」と段階的にステップアップ。発達障害の子どもに数か月味噌汁を飲ませると、本を読むようになった、話を聞くようになった、暴力を振るわなくなった…と明らかに変化が表われます。それに味噌汁には、ハッピーホルモンといわれるドーパミンホルモンの分泌を活発にする栄養成分が多く含まれているので、人を笑顔にしていきます。

 

◆◆◆これから伝えていきたいことは?
最後に一言お願いします。◆◆◆

小町●まずはお母さんの脳をハッピーホルモンで満たしましょう。母親自身に愛情体験や正しい食体験がない。子どもの頃から味噌汁を飲んだことがない、作れないのです。なおさら食の大切さ、特に味噌のパワーを感じています。栄養療法で母親が元気になっていくと、子どもにも変化が表われてきます。「今までわが子をかわいいと思ったことがなかったが、愛おしく思えるようになった」と言われた時は、この母親と手を取り合い、感涙にむせびました。これからも、子どもたちが病気に負けず素晴らしい才能を発揮できるよう、サポートしていきたいと思います。

岩本●昔はエアコンもない家で、家族が食卓を囲みながら仲良く暮らしていました。子どもはみんな学校から帰ると、暗くなるまで公園や自然の中で走り回っていた。環境や生活スタイル、人間関係などがあまりにも変わってしまった。だからこそ、あの頃に戻ろうと提案していきたい。それが人間が人間らしく生きる一番の方法ではないでしょうか。私たちのような、カウンセラーの仕事が要らない、そんな世の中になったらいいと思います。

うつでもいいじゃないか1

うつでもいいじゃないか2

発行/美健ガイド社 価格/ 500 円(税別)

小町みちこ先生・岩本和也先生 共同監修

 

 

 

小町みちこさん

【プロフィール(おまちみちこ)】

東京農業大学卒。管理栄養士。予防医学指導士。
代替医療カウンセラー。栄養補助食品指導士。
ナチュラルクリニック代々木・精神科栄養カウンセラーを経て
現在はフリーで活動中。
幸福を感じやすくなる脳細胞のつくり方を栄養の観点から提案。

 

岩本和也さん

【プロフィール(いわもとかずや)】

近畿大学卒。精神保健福祉士、産業カウンセラー、
SBM カウンセリング所長(東京都豊島区)、
臨床アカデミー精神保健部長、うつ予防管理士協会アドバイザー。
カウンセリングルームを運営し2万件近くのセッション実績を持つ。

 

The number of people suffering from mental illness has been increasing rapidly in Japan. About 30,000 people commit suicide a year, and a million people have depression. Michiko Omachi, a nutritionist, and Kazuya Iwamoto, a mental health counselor, recommend eating miso soup every day as a treatment for patients with mental illness. Miso has the amazing power of healing.

 

〈INTERVIEWER〉
藤本智子 Tomoko Fujimoto
ジャパン味噌プレス編集長、ミソガール

 

ABOUTこの記事をかいた人

藤本智子

藤本智子(ふじもとともこ) 1985 年生まれ、横浜市在住。アパレル販売員、読者モデル、ファッション雑貨店マネージャーを経て、2011 年ミソガールとして「365 日味噌活宣言」をし、みその普及啓蒙活動を開始。2012年「みそソムリエ」取得。2014 年「ジャパン味噌プレス」創刊。2015年「ミラノ国際博覧会日本館サポーター」「朱鷺米応援大使2015」(佐渡市)に就任。著書に『みそまる』(宝島社)、『みそまる 作りおきみそ汁83のレシピ&アイデア』(二見書房)、『手軽に作れて、キレイに効く! みそまる』(主婦と生活社)等がある。2016 年より「中央情報専門学校」非常勤講師。2016年10月株式会社ミソド設立、代表取締役。一般社団法人みそまる普及委員会 理事。