【味噌人】落語家 三遊亭竜楽さん「7か国語で演じる古典落語『味噌豆』の世界」

三遊亭竜楽さん

\THE味噌人/

みそを愛し、みそ業界をリードする「ザ・味噌人」。みそメーカーや関連企業、料理人などさまざまな業界の「ヒト」を取り上げます。

三遊亭竜楽さん2

7か国語で演じる古典落語「味噌豆」の世界
落語家 三遊亭竜楽さん

定吉と旦那のやりとりが可笑しい古典落語「味噌豆」を、日本語を含め、英語、フランス語、英語、イタリア語など7 か国語で演じる前代未聞の落語家、三遊亭竜楽師匠。一人で何役もこなし、身振り手振りで豆を煮たり食べたりするシーンを表現。何もないのに、その場の「絵」が見えてくるからスゴイ。最後のオチは笑いの嵐! 国境の垣根を越えて愛される竜楽師匠の素顔に迫りました。
(聞き手/ ミソガール・藤本智子)

ドイツ公演

◆◆◆普段のお仕事について教えてください。◆◆◆

これまで、国内での独演会ほか、ヨーロッパやアメリカなど9 か国45 都市で、字幕・翻訳に頼らない現地語による約150 公演を行ってきました。「2 か月の準備期間で、世界中どの国でも現地語公演を行う」がモットーです。また、「笑いとコミュニケーション」をテ―マに、年間40 本近い講演会や執筆活動も行います。「笑い」は専門家だけの特別なものではなく、人とのコミュニケーションを円滑にしていく最高の手段だということをお伝えしています。

◆◆◆落語家になろうと思ったきっかけは?◆◆◆

大学卒業後、弁護士を目指して司法試験を受けましたが、自分には向いていないと実感。気分転換に通っていた寄席で落語に魅了され、27 歳で入門を決意。周囲は腰を抜かすほど驚きました。なぜなら、私が人前で話すのが苦手だったからです。しかし、どうしても諦められず、「一番できなかったことをやろう!」と落語の世界へ飛び込みました。遅いスタートの焦りに加え、厳しい上下関係の世界。先輩の「面白くない!」の一言に落ち込むこともありましたが、コンプレックスをバネに稽古に取り組み、1992 年に真打ちに昇進しました。

◆◆◆なぜ外国語落語を始めたのでしょう?◆◆◆

イタリア公演の依頼があった際、渡航費も出ず、字幕の費用もないことが判明。知人だったので断れず、「イタリア語でやりましょう」と言ってしまったのが、外国語落語を始めたきっかけです。日本語と現地語を併用するスタイルで「ちりとてちん」を演じてみたら大好評。「落語は世界で受け入れられる」と確信した瞬間でした。現在、8 か国語を制覇。翻訳が届くと、まずは全文をカタカナにして丸暗記。ひと通り覚えたら、実際の発音やイントネーションが本物に近くなるよう何度も修正し、完成していきます。

◆◆◆海外公演の際に感じることは?◆◆◆

海外では、みそを知らない人もたくさんいます。もちろん、大豆を煮るシーンも想像がつかないし、丁稚と主人との関係なんて外国人にとっては想定外。江戸時代の生活様式を全くイメージできないという点は、国によって差があるものの、外国人と日本の子どもは、笑うツボが同じ。けれども「味噌豆」がウケるのは、「落語」という文化的質の高さと珍しさ、巧みな話術とパフォーマンス力ではないでしょうか。

◆◆◆みそはどんな存在でしょうか。◆◆◆

なすやキャベツ、たまねぎなど、幼い頃から野菜たっぷりのみそ汁が大好きです。群馬県出身なので、みそはふるさとの味、「上州みそ」が落ち着きます。食事は塩分量に気をつけていますが、おかずを減らすことはあっても、みそ汁は欠かしません。海外出張でみそ汁が出てくると、よりありがたみが増しますね。ハードスケジュールをこなすには、健康第一。みそ汁は、元気の源です。

◆◆◆今後の夢を教えてください。◆◆◆

今後は、さらに言語のバリエーションを増やしていき、オペラやミュージカルのように、落語という文化を世界に定着させたい。また、海外での活動から得たものをフィードバックして、これまで「落語」に縁のなかった日本の方々にも、その魅力を伝えていきたいです。

CD「三遊亭竜楽の七か国語落語~味噌豆編」

CD「三遊亭竜楽の七か国語落語~味噌豆編」スロウボールレコーズ/ 1500 円(税込)

【プロフィール】
1958 年生まれ。群馬県出身。中央大学法学部卒業。
1986 年に三遊亭円楽に入門、1992 年に真打昇進を果たす。現在は世界各国で公演や講演会を行うほか、テレビやラジオ出演など多方面で活躍中。『落語歳時記〜らくごよみ』(朝日文庫)ほか著書多数。

2ショット

—–取材を終えて—–
高座では、「まくら」で海外公演の裏話に、ところどころ外国語を入れて話す竜楽師匠。本編ではないというのに、可笑しくて笑ってしまいました。竜楽師匠が笑いで人を幸せにするように、私もみそで人を幸せにできるような人になりたいです。

〈INTERVIEWER〉
藤本智子 Tomoko Fujimoto
ジャパン味噌プレス編集長、ミソガール

Ryuraku Sanyutei is a remarkable rakugo storyteller
who travels around the world and performs the story “Misomame” in seven languages.

ABOUTこの記事をかいた人

藤本智子

藤本智子(ふじもとともこ) 1985 年生まれ、横浜市在住。アパレル販売員、読者モデル、ファッション雑貨店マネージャーを経て、2011 年ミソガールとして「365 日味噌活宣言」をし、みその普及啓蒙活動を開始。2012年「みそソムリエ」取得。2014 年「ジャパン味噌プレス」創刊。2015年「ミラノ国際博覧会日本館サポーター」「朱鷺米応援大使2015」(佐渡市)に就任。著書に『みそまる』(宝島社)、『みそまる 作りおきみそ汁83のレシピ&アイデア』(二見書房)、『手軽に作れて、キレイに効く! みそまる』(主婦と生活社)等がある。2016 年より「中央情報専門学校」非常勤講師。2016年10月株式会社ミソド設立、代表取締役。一般社団法人みそまる普及委員会 理事。