【味噌人】とうふプロジェクトジャパン株式会社 代表取締役 磯貝剛成さん

磯貝剛成さん

\THE味噌人/

みそを愛し、みそ業界をリードする「ザ・味噌人」。
みそメーカーや関連企業、料理人など、
さまざまな業界の「ヒト」を取り上げます。

 

仕込みたてのおから味噌
仕込みたてのおから味噌

 

おから味噌は豆腐業界の救世主です。
とうふプロジェクトジャパン株式会社 代表取締役 磯貝剛成さん

実家が豆腐の製造器具をつくる会社を営んでいることから、
子ども時分から豆腐に親しみながら育った磯貝さん。
だが時代の流れとともに豆腐屋は減少の一途を辿るばかり…。
この現況に、なんとかしなければ!と立ち上がり次々と業界に革命を起こしている。
新たに注目され、話題を集めている「おから味噌」について聞いた。
(聞き手/ ミソガール・藤本智子)

 

講習
おから味噌インストラクター認定講座

 

◆◆◆普段のお仕事はどんなものですか。◆◆◆

豆腐業界を活性化させることが、私のミッションです。具体的には、豆腐に関するイベント運営やプロモーション、業界や個別企業のサポートなど。また、豆腐の知識と使い方を学び資格を取得できる「豆腐マイスター認定講座」を全国各地で開催しています。昨年はパリでも開催し、取得者は現在2306 人に。栄養コンサルタントとして活躍する美のスぺシャリスト、エリカ・アンギャルさんとコラボレーションして講座を行うなど、特に女性に向け、豆腐に親しんでもらえるよう工夫しています。

 

◆◆◆「おから味噌」って何ですか?◆◆◆

おから味噌とは、おから、麹、豆乳、塩を混ぜ合わせてつくる味噌のこと。大豆を煮る手間がないので、誰でも手軽につくることができます。昨年より、食育活動などに活かすことができる「おから味噌インストラクター認定講座」を開始。おから味噌づくりや原材料の基礎知識、講座運営のノウハウなどを習得し、インストラクターとして活動できるようになります。http://mytofu.jp/okaramisoinstructor/

 

◆◆◆「おから味噌」を広めようと思ったきっかけは?◆◆◆

おからは豆乳の搾りかすですが、食物繊維やカルシウムをたっぷり含み、たんぱく質や炭水化物、カリウムにも富んだヘルシーフードとして注目を集めています。しかしおからは劣化が早く、日持ちがしない上、需要が減り、約7 割が農産業廃棄物として廃棄されていて、豆腐屋にも環境にも辛い現状です。そのおからを売上につなげるだけでなく、味噌の使用頻度を上げ、人々の健康に貢献することにもなる「おから味噌」の普及は、みんながWinWin の関係になれる事業だと確信したのです。

 

◆◆◆「おから味噌」の反響はどうですか?◆◆◆

「おから味噌インストラクター認定講座」は、1 年で150 人、また海を渡り香港にも誕生しました。「豆腐マイスター」のようにどんどん増えそうな勢いです。受講者はほぼ女性で、料理の専門家から一般主婦、OL など幅広い層の方。「つくり方だけでなく原材料のことまで詳しく教えてもらえるのがありがたい」「一人で講座を主催するのは不安だけど仲間ができて心強い」など、うれしい声をたくさんいただいています。

 

◆◆◆豆腐業界の現状について教えてください。◆◆◆

全国に5 万軒あった豆腐屋は、昭和35 年をピークに、後継者不足や廃業などから1 万軒を切り、現在も年間約500軒ペースで減少。このままでは豆腐を伝える人が地域からいなくなり、豆腐という食文化すら失われていくのではないか、そんな危機感を持っています。一方では、スーパーフード「世界のTofu」として注目されているのも事実。当事業は業界の活性化だけでなく、人々の健康や環境問題の視点から見ても重要な役割を担っていると実感しています。

 

◆◆◆体的な夢はありますか?◆◆◆

豆腐文化を次世代に伝えるため、豆腐屋の代わりに地域で豆腐を伝える「豆腐マイスター」や「おから味噌インストラクター」を、5 万人誕生させることが目標です。廃棄されていたおからが麹の力で息を吹き返す「おから味噌」には、大きく期待しています。食育活動のツールとして、全国に広めていくつもりです。おから味噌は豆腐業界の救世主です。

 

松田由己さん  おから味噌インストラクター松田由己さん

生おから、乾燥おから、また麹の種類を変えると風味が全然変わるので、いろいろ楽しめます。受講生たちは講座後もつながり、知識や経験情報を交換・共有し、共同で講座を開催するなど、いい関係を築いています。これも、おからパワーのおかげですね!

 

【プロフィール(いそがいたけしげ)】
1972 年愛知県出身。大学卒業後NTT に入社し、
約10 年間、法人営業や営業企画などに従事。
その後、eBOOKOFF(現ネットオフ株式会社)で執⾏役員、
会社の代表取締役などを歴任後、
2009年とうふプロジェクトジャパン株式会社を設立。
2015 年一般社団法人日本豆腐マイスター協会設立。

 

Takeshige Isogai is active in spreading okara miso,
made with okara (soy pulp), koji, soy milk, and salt, to stimulate the tofu industry.

 

2ショット

—–取材を終えて—–

何事にも真心を込めて取り組む方。
磯貝さんのポジティブ精神とゆるぎない思いに共感者もいっぱい。
私もその一人で、豆腐マイスターとおから味噌インストラクターを取得。
豆腐と味噌は切っても切れない仲。
一緒に盛り上げていきたいです!

 

〈INTERVIEWER〉
藤本智子 Tomoko Fujimoto
ジャパン味噌プレス編集長、ミソガール

 

ABOUTこの記事をかいた人

藤本智子

藤本智子(ふじもとともこ) 1985 年生まれ、横浜市在住。アパレル販売員、読者モデル、ファッション雑貨店マネージャーを経て、2011 年ミソガールとして「365 日味噌活宣言」をし、みその普及啓蒙活動を開始。2012年「みそソムリエ」取得。2014 年「ジャパン味噌プレス」創刊。2015年「ミラノ国際博覧会日本館サポーター」「朱鷺米応援大使2015」(佐渡市)に就任。著書に『みそまる』(宝島社)、『みそまる 作りおきみそ汁83のレシピ&アイデア』(二見書房)、『手軽に作れて、キレイに効く! みそまる』(主婦と生活社)等がある。2016 年より「中央情報専門学校」非常勤講師。2016年10月株式会社ミソド設立、代表取締役。一般社団法人みそまる普及委員会 理事。