濃厚なコクと風味!やっぱり「味噌ラーメン」

ラーメンといえば、日本を代表する国民食。中でもやっぱりみそラーメンは、昔から愛される定番の味。すっきり、こってり、辛口系…、老舗の味は、今なお根強い人気を誇る一方で、近年はオドロキの進化系みそラーメンも登場。あなたの好きなみそラーメンはどんな味?

中華麺の歴史

中華麺の定義は、「かん水」を使っていること。「かん水」とは、アルカリ塩水溶液で、小麦粉の混ぜることで、しなやかさとコシを出し発色をよくする。なんと、すでに室町時代には、日本初の中華麺「経帯麺」が食べられていたとされ、このレシピは現代のラーメンの麺とほぼ同じというから驚きだ。文献上、日本で一番はじめにラーメンを食べたのは、水戸黄門こと、徳川光圀公だが、今のラーメンとはほど遠いものだったという。1859年開港により、多くの外国人が移り住み、海外の食文化が流入することとなる。これをきっかけにラーメンのルーツである中国の麺料理も日本に伝わった。開港後、肉食が解禁になったこともラーメンの発展に大きく貢献した。

みそラーメン開発秘話

みそラーメンを開発したのは、札幌「味の三平」の創設者である故・大宮守人氏。もともとみそ好きだった大宮氏は、雑誌「リーダーズ・ダイジェスト」に掲載された、スイスの食品メーカー、マギー社の社長の言葉「日本人はもっとみそを料理に活用するべき」に、インスピレーションを受けた。みそ汁が恋しいという単身赴任の出張者にみそをスープで割ったラーメンを提供したことが契機となり、みそラーメンの研究を始めたという。その後、昭和30年代半ばから、札幌市内でみそラーメン店が増えていき、「どさん子ラーメン(北圀商事)」がフランチャイズ展開したことで、全国的に一気に広がった。

海外で空前のラーメンフィーバー

ヘルシーでおいしい!と海外での日本食ブームは、すごいようだ。海外における日本食レストランの数は、約2.4 万店(2006 年)→約5.5 万店(2013 年)→約8.9 万店(2015 年)とうなぎ登り(外務省調べ、農林水産省推計)。中でもひと際注目を浴びている日本食が「ラーメン」。海外ではラーメンフィーバーが起きている。ヨーロッパやアメリカ、アジアなど、日本を除く、世界のラーメン店の数は、少なくとも2000店舗を超えるといわれている。海外にラーメン店が誕生したのは、約40年前。ニューヨークの「SAPPORO」(1975年)、パリの「HIGUMA」(1984年)などは、いずれも現地の日本人が始めた店。日本食レストラン同様、もともとは現地駐在員のニーズに合わせて誕生したものだが、日常食ではない寿司に代わり、ラーメンや餃子など大衆食文化が現地の人々にも好まれた。みそラーメンもしかり。海外でのみその評価は、日本人が思っている以上に高い。

ご当地珍みそラーメン①市民に愛される「青森味噌カレー牛乳ラーメン」

みそをベースに、カレー粉、牛乳を入れたラーメンに、バターをトッピング。30 年以上、青森市民のソウルフードとして愛され続けている「味噌カレー牛乳ラーメン」。独自に調合されたみそのコクとカレーの刺激、牛乳のまろやかさとバターの風味が絶妙なバランスを醸し出す。青森に行ったら、まずは食べたい一品だ。青森市は中華麺の消費量・金額共に全国第3 位、カップ麺は消費量・金額共に全国第1 位と、中華麺好きな市民性。そのため青森はラーメン店激戦区。

「味噌カレー牛乳ラーメン」を開発したのは、「味の札幌」創業者・故 佐藤清さん。佐藤さんが青森に拠点を置いて40 年。この間、市民に愛されるラーメンづくりに没頭し、みそラーメンの可能性にチャレンジしてきた。そののち、みそ、牛乳、カレーという、相性がよく、味の深みが高まるブレンド技術を確立。メニュー化するとたちまち人気が出て看板メニューとなった。2008 年、東北新幹線新青森駅開業(2010 年)に向け、地域の名物ラーメンにして、もっと多くの人へ伝えようと「味噌カレー牛乳ラーメン普及会」を立ち上げた。今ではこれを目当てに青森を訪れる人も多いという。

ご当地珍みそラーメン②高知・ボリュームMAXみそカツラーメン

みそラーメンの上にトンカツがのっている驚きの高知B 級グルメ「みそカツラーメン」。全国的に「みそカツ」といえば、愛知県の甘くて濃厚なみそダレがかかったトンカツが有名だが、高知で「みそカツ」といえば、「みそカツラーメン」のことを指す。発祥は、高知で初めてみそラーメンをメニュー化、県内に30 店以上を展開する「豚太郎」だ。ラーメン店になる前は食堂だったという同店。当時、人気メニューだった「カツ定食」のカツをラーメンに入れたらおいしいのではと、一口カツを入れたのが「みそカツラーメン」の始まりだ。ボリュームあるトンカツと庶民的なラーメンの組み合わせがウケて、今や高知を代表するご当地グルメに。現在は県内のあちこちで「みそカツラーメン」が食べられる。ラーメン+ カツだから、当然カロリーは高いが、おいしさと満足度には代えられないと、やみつきになる人が急増。食べ始めは衣のサクサク感が残っているが、食べているうちにだんだんとカツがみそスープを吸って柔らかくなる。みその味がじんわり浸み込み、絶妙なおいしさなのである。

世界初のフードアミューズメントパーク「新横浜ラーメン博物館」へ

新横浜ラーメン博物館(以下、「ラー博」)は、世界初のフードアミューズメントパーク。全国各地の名だたる名店が軒を連ねるほか、ラーメンの文化と歴史を学べるミュージアム。全国のご当地ラーメンやグッズが購入できるショップなど、ラーメンをとことん楽しめる施設だ。「ラー博」の地下にある街は、昭和33年の東京の下町をバーチャルに再現。昭和33年といえば、東京タワーの完成、一万円札の発行、皇太子妃の決定、長島茂雄のデビューなど、歴史的な出来事が多かった年であり、「インスタントラーメン」の誕生の年でもある。タイムスリップしたようなレトロな雰囲気、インスタ映えする写真スポットが盛りだくさん。外国人観光客も多く来場するという。各店舗ミニサイズのラーメンもあるので、一人でガッツリ食べ歩くのもよし、友だちやカップルで行くのもよし。

「ラー博」在籍歴20年、広報・プロデュース等を手がける中野正博さんに聞く

学生時代にオーストラリア留学時、現地では、日本食やラーメン店がほとんどなく、淋しい思いをした経験があります。が、そのおかげで、客観的に日本食の素晴らしさを知ることができました。その結果、日本のファストフードの最たるもの「ラーメン」に関心を持ち、ラー博へ入社。これまで国内外約3000軒のラーメン店を巡り、常にラーメン研究をしています。現在、アメリカやヨーロッパをはじめとした海外でのラーメンブームの勢いはとどまることを知りません。みそラーメンもしかり。ベジタリアン向けのラーメン需要も伸びています。現地調査などを重ね、本格的なラーメンの海外普及に力を入れているところです。

●ラー博で食べよう「すみれ」
全国的にメジャーなみそラーメンの名店。超濃厚でコクと香りのあるスープと札幌特有のコシのある中太ちぢれ麺が特徴。豚骨、魚介、野菜類を煮込み、みそやニンニク、調味料などを加えたスープがやみつき必須。ガッツリ食べたい派におすすめ。

●ラー博で食べよう「赤湯ラーメン 龍上海」
元祖「からみそラーメン」といえばこちら。モチモチシコシコのボリューム満点の麺の秘密は、1玉1玉丁寧に手揉みされている。龍上海の最大の特徴は、中央に配置された「からみそ」だ。徐々に溶かしながら食べるのが通。好みの辛さに調節できるのがポイント。

参考:新横浜ラーメン博物館 展示

Ramen is one of the representative Japanese dishes. Among various kinds, miso ramen has been very popular for a long time, and it continues to evolve through creative explorations.

ABOUTこの記事をかいた人

藤本智子

藤本智子(ふじもとともこ) 1985 年生まれ、横浜市在住。アパレル販売員、読者モデル、ファッション雑貨店マネージャーを経て、2011 年ミソガールとして「365 日味噌活宣言」をし、みその普及啓蒙活動を開始。2012年「みそソムリエ」取得。2014 年「ジャパン味噌プレス」創刊。2015年「ミラノ国際博覧会日本館サポーター」「朱鷺米応援大使2015」(佐渡市)に就任。著書に『みそまる』(宝島社)、『みそまる 作りおきみそ汁83のレシピ&アイデア』(二見書房)、『手軽に作れて、キレイに効く! みそまる』(主婦と生活社)等がある。2016 年より「中央情報専門学校」非常勤講師。2016年10月株式会社ミソド設立、代表取締役。一般社団法人みそまる普及委員会 理事。