桶をレール運搬!?小田原の加藤兵太郎商店

小田原市にある加藤兵太郎商店は、「いいちみそ」の名で知られるみそ蔵で約170年の歴史がある。厳選された国産原料と箱根山系の地下水で仕込み、80年以上使用している木桶でみそを熟成させるのが特徴だ。長年使用した木桶には独自の菌がすみつき、特有の味とコクを醸し出す。

場内には、木桶を運搬するための鉄道用の線路(レール)が敷かれ、約3tの木桶を移動させる際に使用しているという。

一番人気は、さっぱりとした風味の「いいちみそ 白みそ」。地元の飲食店など、プロにも多く愛用されている。

まもなく七代目として後を継ぐ加藤篤さんは1984年生まれ。もともとIT企業に務めていたが、4年前、現社長である父・加藤公明さんが「自分の代で蔵を閉める」と言ったとき、それを惜しむ人々がたくさんいた。それを目の当たりにし、自分がなんとかしなければと一念発起した。

1年ほど重点的に製造を学んだあと、広報、営業、販売など、会社全体を見るようになり、仕事は多岐にわたる。
前職のキャリアを生かし、HPを一新、ブログを開設するなど、商品の周知活動に力を入れた。趣味はアウトドアで、カメラも得意な篤さんのブログには、野外で楽しむ「みそ鍋」など、みそを楽しむヒントが多く紹介されている。

そのほかパッケージのリニューアルにも着手。手乗りサイズの超少量みそ(写真左)は、かわいい見た目が評判となり、お土産として大人気に。気がついたら、下がり続けていた売上を、4年でアップすることができた。

「この辺りにも昔はたくさんのみそ屋がありましたが、今はうちだけです。基本に忠実に、昔ながらの製法を伝承していくことを大切にしながら、若い感性を取り入れていく必要性も感じています。同じ思いを持った同業仲間との連携も強め、地域に愛されるみそ屋になりたいですね」。と加藤さん。

何事もトライ&エラーで体当たり。笑顔でみその未来を語る篤さん、顧客からは厚い信頼を寄せられている。

いいちみそ醸造元 加藤兵太郎商店
神奈川県小田原市扇町5-15-6 TEL0465-34-7188

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藤本智子

【MISODO(藤本智子)】株式会社ミソド代表取締役、一般社団法人みそまる普及委員会理事、月刊「ジャパン味噌プレス」編集長、みそソムリエ。アパレル販売員、読者モデル等を経て、2011年「ミソガール」として味噌の普及活動を開始。みそまる考案。ミラノ万博や伊勢志摩サミット等イベントやメディア出演を通し、味噌の魅力を伝えている(2019年MISODOに改名)。著書に『みそまる』(宝島社)、『みそまる 作りおきみそ汁83のレシピ&アイデア』(二見書房)、『手軽に作れて、キレイに効く! みそまる』(主婦と生活社)等。 ※WEB版に掲載している記事は、取材当時の情報です。現在と内容が変わっている可能性がございます。