みそとゆずが歩んだ道

冬の季節に欠かせない食べ物といえば「ゆず」。独特の香りと酸味で人々を魅了し、汁物の吸い口やゆずみそ、ゆず胡椒、ゆず茶など食卓に華を添える。

現存する柑橘類の中では最も歴史が古く、奈良時代にはすでに栽培されていたといわれている。日本での生産高は高知県が断トツだが、寒さにも強く、日本各地で栽培されている。原産地は中国で、朝鮮半島経由で日本に渡来したと考えられている。

そう、もうお気づきかと思うが、みその歴史に相通じるところがある。長い歴史とともに、人々の生活に寄り添い、健康を支えてきた、みそとゆずなのだ。

ゆずは、実ができるまでに、なんと10数年もかかるそうだ。みそも数か月~数年と時間をかけてつくられる。「じっくりと実や味を育てる」という点も、みそとゆずは似ているようだ。

ゆずには、クエン酸が多く含まれているほか、みそにはないビタミンCも豊富。みそにゆずの香りが加わった「ゆずみそ」は、この上ないおいしさだ。日本では、冬至の日にゆず湯に入るのが恒例だが、同時に、風呂吹き大根に「ゆずみそ」をたっぷりかけてどうぞ!

さて「ゆずみそ」といえば、この方!!!「ゆずみそ社長」の名で知られる株式会社柚りっ子代表の三澤澄江さんは、もともと趣味でゆずみそをつくっていた。ある時、搾汁後のゆず皮が大量廃棄されていることを知り、ゆずみそづくりを事業化できれば農家の収入や雇用にもつながると考え、定年退職後、66歳で起業。

原材料のゆず、みそ、てんさい糖はすべて国産。無農薬で化学肥料を使っていない徳島の山ゆずに、阿波藩主・蜂須賀公の御膳に供されたことで有名な御膳みそを使用。良質な米麹をたっぷり使った赤系甘口みそだ。みずみずしいゆずの香りと芳醇なみその香りがぎゅっと詰まっていて、ごはんやパン、焼き肉、おでん、サラダ、冷奴などアレンジ無限大。

「商品名であり、会社名でもある『柚りっ子』には、山の恵みを皆で譲り合う、という思いが込められています。また、食生活の乱れから日本人の心がなくなりつつあると感じています。今の時代に必要なのは、人を思い合う譲り合いの精神ではないでしょうか。ゆずみそづくりを通して、そんなことを伝えていきたい」と意気込む。

いつも明るくパワフルな三澤社長、元気をたっぷりもらいました。

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藤本智子

【MISODO(藤本智子)】株式会社ミソド代表取締役、一般社団法人みそまる普及委員会理事、月刊「ジャパン味噌プレス」編集長、みそソムリエ。アパレル販売員、読者モデル等を経て、2011年「ミソガール」として味噌の普及活動を開始。みそまる考案。ミラノ万博や伊勢志摩サミット等イベントやメディア出演を通し、味噌の魅力を伝えている(2019年MISODOに改名)。著書に『みそまる』(宝島社)、『みそまる 作りおきみそ汁83のレシピ&アイデア』(二見書房)、『手軽に作れて、キレイに効く! みそまる』(主婦と生活社)等。